萌え萌え同人誌ナイト☆2レポ その1 やおいもあるよ

なんか最近月に一度はプラスワンで飲んでる気がする…気のせいだろうか…('A`)
それはそうと今回も「萌え萌え同人誌ナイト☆2」に行って来たわけなのですが、…恥の多い生涯を送ってきました、自分には、同人ゲームの歴史というものが、見当つかないのです。('A`)
まあそれについては追々話すとして、今回のイベントの概要はこんな感じでした。

いまや国内外から大きな注目を集める日本の美少女同人誌…
前回は、時間の関係で70年代末期〜83年までしか紹介できず、涙をのんだわれわれが、満を持してお贈りする美少女同人誌歴史絵巻の第2弾!!
今回は、前回に引き続き、84〜88年の脂の乗り切った規制前エロ同人誌の現物を持ち込み、ガンガン紹介します!!
「あのメジャー漫画家が、こんな●●を!!」「この時代にすでに●●とは!!」と、衝撃を受けること必至のラインナップで挑む!!
乞ご期待!!!
※出演者がアッ!と驚くような同人誌持ち込みも大歓迎。

【出演】 SLUDGE VANGUARD ( 鈴本あきら & 江戸拳破 )
【Guest】 三平×2 ( アニメ会 )
2006/05/17
at LOFT/PLUS ONE

いやいや凄かったですよ今回も。何が凄いって、壇上の方々はモチロン、お客さんが凄い方ばかりでした。後半エンジン掛かってからすごいことになってましたね。
最初はそれほど混んでもないかなと思ったら、気がつくと中々な数の人がいらっしゃってましたね。結構リピーターらしき方が多かったのですが、前回は一人も居なかった女性客をちらほらと見かけましたし、着実にお客さんが増えているような。しかも客層が基本的に年齢層とオタクレベル高めで、百戦錬磨の猛者ばかりが集う梁山泊のような空気がながれてましたね。(;´Д`)


という事で開演

まず乾杯して、早速質問用紙に対する回答。
id:ban-banさん「同人誌即売会に年何回行ったら異常だと思いますか?
江戸拳破改め江戸栖方*1氏「何回行っても異常じゃないと思いますよ。お金を一杯使うっていうのも、いい服とか買ったら一回で何万円も飛んじゃうじゃないですか。だから金を使う対象が違うってだけですよ」
モアイさん「ボスコアドベンチャーのことを覚えていたら語ってください」
江戸「チェルノブイリの年のアニメです。凄いの覚えてますね。知る人ぞ知るアニメですよ」
すぐに同人誌には入らず、今回のテーマである「84〜88年までの同人誌」への導入として「84〜88年までのアニメ・マンガ・特撮の流れ」みたいなのを大雑把に説明。
84年はロボットアニメふぁエルガイム(大河原独占枠を変えた)やガリアン・ゴーグが出てきて大変贅沢な年。
江戸「エルガイムの何が凄かったって、永野護さんがキャラデザとメカニカルデザインを両方とも一人でやっていたことです。こういうのは今までなかったんですね。あとデザイン的にも二十関節とかは大河原のガンダムラインとはまた違うものを作っている。ゴーグなんかは安彦良和さんがキッチリつくりすぎて、半年お蔵入りになって、26話全部出来たところから放送してるんです。怪奇大作戦みたいなもんですそういう過渡期なんですよね、この時代は」
そのほかは「ウイングマン」「とんがり帽子のメモル」「アタッカー YOU!」「キャッツアイ」など。キャッツアイの偉大なところは「レオタード」というジャンルを作ったこと。
江戸「この年は劇場版が豪華なんですよ。2月に『ビューティフル・ドリーマー』で夢の中にいるのに3月ナウシカで7月マクロスですよ!地獄のような状況です
このあたりからOVAの存在が目立つようになる。一番はやっぱり「くりぃむレモン」。
江戸「劇場でセイラさんのヌードシーンをバシャバシャ撮っちゃうような人がみんなここに流れ込んできたんですよ。完全に大きいお兄さん向けなんですよね。ターゲットが子供から大きなお友達に変わってるんです」
この頃、特撮は「マシンマン」や、アニメの「ウイングマン」の存在により、メタ的な視点から見られるようになる。つまり、ある意味での終焉を一旦迎えているのだという。これが
逆転してくるのが昨今のイケメン俳優の特撮番組だというところは興味深かった。
85年になると、ゼータガンダム。監督自身による作品のパロディが出る。他にはレイズナーとか、小公女セーラ、タッチなどなど。またOVAが凄い。クリーミーマミの「ロング・グッドバイ」というマミがメカになってるという同人誌のような内容のものをやってるあたり面白い。「幻夢戦記レダ」は甲冑少女の魁。一応ミンキーモモとかにもでてくるけれど、とのこと。これは休憩時間中に上映されてました。「メガゾーン23」はビューティフルドリーマーと似たようなことを聞かされたり。そのほかにはスーパーマリオが出てきてみんなが家でゲームをするような時代になってくる。
86・87年はまとめてさらっと。86年にめぞん一刻ドラゴンボールなど、原作つきの作品が大量に出てきて、オリジナルをつくるにはちょっと息切れ起こしているかなと言うところ。ガンダムもZZでアニメじゃない。ZZの放映前の宣伝番組が酷かったと。カミーユが廃人になっちゃったのにブライトがつまんないクイズだしたりとか。*2
劇場ではプロジェクトA子が。同時上映がくりぃむレモンの「旅立ち〜亜美・終章〜」で、どちらを二回見に行くかで傾向が分かれるとか。
江戸「僕は亜美・終章派ですね。ところがこれ終章なのに終わんないんですよね。この後亜美ちゃん演歌の世界みたいになっちゃって抜けないアニメになっちゃうんです」
87年はエスパー魔実、きまぐれオレンジロードジリオンレモンエンジェルのあたりが始まってきたよ、という話。劇場版だとオネアミスとか。OVAだとダンガイオーなど。
88年はサムライトルーパー魔神英雄伝ワタル超音戦士ボーグマンなど。劇場版は逆襲のシャア、トトロ。OVAゼオライマー、トップを狙え!など。
江戸「全体傾向として、テレビアニメが衰退してきて、劇場アニメも冒険しなくなって、コアな層はOVAに入って、そこで力を蓄えた人たちが浮上してくる。コミックとかはジャンプ系が爛熟期には入ってます。ゲーム業界は右肩上がりで、アーケードの移植がメインだったのが、ドラクエとかのRPGが出てきてから、家庭でじっくりゲームをしよう見たくなってきます」
このあたりを予備知識として本題の同人誌へと入っていきます。
前回は文学臭さやガロとかCOMっぽさが漂ってたのが、アニパロメインになってきましたよ、というのが今回の話。
江戸「当時の一番の情報源ってやっぱりテレビアニメだったわけですよ。だから全員が同じ土俵で勝負してるわけですね。リソースが似てるんです。最近の同人誌のつらいところっていうのは、ゲーム好きな人はゲームだけの、アニメ好きな人はアニメだけの同人誌しか作らないみたいな隔絶してるところがある。昔はそうじゃなかったから、同じ土俵で色々な表現形態で勝負してるのを見分ける楽しみっていうのが僕らにはありましたね」
ダーティペアだのゲゲゲの鬼太郎だののアニパロ本を色々。
江戸「この頃アニパロだけで同人誌つくるみたいな傾向が出てくるんですね」
「アルプス興業」の「LookOut」という雑誌を例にとって小説が多かった同人誌も時代とともに漫画が増えてくるという話。
鈴本あきら氏「当時SFファンとアニメファンって重なってる部分が多くて、文章も書きます漫画も描きますっていう人が多かった。で、そういう人たちがコミケとかじゃなくても大学のサークルでなんかつくって学祭で売るというときには絵とか小説とか、比率色々ですけど書いてる人いましたね」
エロパロ同人誌の黎明期に活躍していた人たちの発展系みたいなのが色々と出てくる。
前回紹介した「ラムロイド」みたいな、「ロボット化する美少女」。海洋堂の関係会社である「ムサシヤ」の企画で出来たんだとか。
藤田幸久の「コスプレ少女リコちゃん」から「コスプレって単語はその頃(86年)もうあったの?」という話に。
江戸「オタクの間ではコスプレとか萌えとかって、最近になって良く言われるけど、遥か昔から言ってましたよ

ゲスト・三平×2登場

三平×2氏「本当に濃いですな〜!お呼ばれしましたけど、でも僕なんか若造ですよ!コミケに最初に行ったのは有明からなんですよ。晴海を知らない世代なんですよ。昭和を知らないプロレスラーみたいな。95年くらいですから、あの時期にコミケに行ったっていうのは、私生活でよっぽど疲れていたのではないかなと。でも芸人のなかでは同人誌に一番ハマってるのでないかなという自負はありますけど」
まずは蔵書量比較大会。三平さんは同人誌1000くらいを所有しており、もし落下してくれば死ぬという。
江戸「ぼくも5000冊くらい持ってるんですけど、表紙がカラーになってくるとまた重くて、親父があきらめて棚作ってくれました
三平さんの面白同人誌紹介。
三平「僕が一番最初にコミケ行ったときから追っかけてるサークルさんというのがありまして…サザエさん本をつくってるサークルさんで、名前はTOSHIBAっていうんですけど、ここのサークルさんで気に入ってるのはある人物相関図を元にストーリーを作ってるんですけど、これがまた往年の野島伸司のドラマみたいなんですよ
サザエさん裏人脈図』と題された相関図がスクリーンに映る。
三平「この人脈図だと、タラちゃんは普通だとマスオさんとの子供なんですけど、サザエさんアナゴさんと不倫の果てに出来た子供で、ワカメちゃんは波平と舟の娘なんですけど、サザエさんが16歳のときに生んだ子供になってるんです。一応相手は?になってるんですけど。他にも色々あるんですよ。舟さんと伊差坂先生の奥さんのお軽さんが、女学生時代にちょっとプチ百合みたいになってて、細かいところでは甚六さんがリカちゃんに恋心を抱いていたり、早川さんがカオリちゃんに横恋慕してたりします
甚六さん×リカちゃん編をちょっとみる。
三平「結構話は重いんだけど、最後はちょっと良かったなっていうかんじで落としてくれます」
次にるろうに剣心の同人誌…かと思いきや、どうも違うらしい。一見すると表紙の人は完璧に剣心なのですが、一体なんなのでしょうか。
三平「実はこれタイトルがキテレツ裏百科と言いまして、表紙は美少年化したコロちゃんなんですね」
耽美な絵柄のイケメンブラゴリラがスクリーンに映し出される。実はコロちゃんは殿様用のセクサロイドだった、という話。
江戸「キテレツって結構同人誌化しやすいんですよ。『大百科』って単語が弄りやすくて、たとえばスカトロとあわせて『オゲレツ大百科』なんてのもあります」
次にはちびまるこちゃんから「丸尾くん、危うし!」というタイトルの同人誌。
三平「クラスで委員長の選挙があるんですが、それに丸尾君と花輪くんが立候補するんです。女性票がみんな奪われたので、なんとか男性票を確保しなければっていうことでクラスの男子全員に抱かれるんです。『ズバリそこは感じるでしょう』とか言って」
江戸「まるちゃんのエロ同人誌も実は結構あるんですよ。特にまるちゃんたまちゃんの初潮ネタが多い。そしたら再開したでしょ、ちびまるこちゃん。初潮ネタなんだよね、初回が。なんか予言してるのかなと」
三平「でもこの同人誌の作者の人は、例のポケモン同人誌事件で逮捕された人がかつて作ったものだったんです。だから長く買ってるとこういうことってあるのかなと思いますね」
次に「丹下段平ぬりえ」というシュールなものが出てきて、明日のジョーの同人誌の話。モブシーンの女の子とジョーが結婚する話とか。
すごいのは「びんちょうたん」を水木しげる調で描いた作品。ストーリーは元ネタのままなのだが、点描がないだけで概ね水木絵。
ロフト店長「こういうのは今ではもう買えないんですか?」
三平「サークルさんのところに行って在庫があれば買えるかもしれませんけど、いわゆる、とらのあなとかに置いてはいないですね」
江戸「市場価値がやっぱり低いですからね」
アニメ会の同人誌、「やおいだった。3」。ザワイドでも出ましたね。
三平「ふたりがセックスしまくるみたいな内容だったら爆笑してられるんですけど、なんか僕らの心の機微みたいなものがメインで描かれてて、感動させる路線なんで逆に恥ずかしいですね
次に、やおい系の話。って今までもそうですが。
ケロロ軍曹なんかの擬人化系やおいも色々ある、という話で、いきなり「じゃりン子チエ」の小鉄とアントニオジュニアの擬人化同人誌。
野火ノビタのズォーダー×デスラー総統(逆だったらごめんなさい)本。
三平「僕がやおい本でとんちが効いてるなと思ったのは…ちょっと前に「本当は怖いグリム童話」ってはやったじゃないですか。それのパロディで『本当はやおい日本昔話』っていうのがあって、すごくとんちがきいてるんです。花さか爺さんの犬のポチが『ここ掘れワンワン』とか…感銘を受けたのは、花さか爺さんのラストって意地悪じいさんが灰を撒いたらお殿様の目に入って手打ちになるって話じゃないですか。これだと殿様の枯れてた木に花が咲いて手篭めにされるっていう、バッドエンドなのかハッピーエンドなのか」
そこで三平さんが江戸さんに鑑定して欲しいという同人誌(?)を取り出す。漫画家の尾崎南の写真集
江戸「すばらしいですね。面白いもの集めるって同人誌の一つの楽しみだと思うんですけど、旬のものを集めるっていうのも一つの楽しみですよね。拉致問題とか時事ネタを扱ったところもありますし、そういうところを追っかけても楽しいです」
三平「長年コミケに通ってると、どうしても買うのって多くなるじゃないですか。昔だったらカタログでチェックしたところ以外を探して買うっていうのも出来ましたけど、段々カタログチェックしたところだけ買うので手一杯で、探しにいけないですよね
江戸「人が多すぎて、午前中で疲れちゃうじゃないですか。午後にはバックパッカーみたいな状況になってて、それでも買いに行こうって元気は出ないですよ」
コミケカタログの話に。
三平「(カタログは年々分厚くなるけれど)でも僕資料として残したいんですよね」
江戸「大田区の頃はまだカタログも中綴じでしたからね。ピザッツみたいな。中綴じの真ん中に地図が入って。今は最初のほうだけど」
三平「あれってなんで一日足りないんですか?三日間あって…」
江戸「来るなってことじゃないですか?
三平「三日も来ちゃいけないよ、人として。みたいな
思春期の頃はまってたものは忘れないよね、という話。
三平「僕はアニメVが最初に買ったアニメ雑誌なんですね。だからOVAだけなんで友達と全然話しあわないんですよ
その他コミックマーケットレポートや三平さんが幼女痴漢事件の犯人と見られていたという話など、ハードな?話が続く。
三平「元々やおい買い始めたのも、単純にアンパンマンとかのホモマンガで面白い組み合わせのがあるっていうんで買ってたんですけど、HUNTER×HUNTERとかは同人誌を先に読んだんで、逆にオリジナルのほうが僕にとっては同人誌ですよ。クラピカとかはもうああいうもんだと思ってますから。未だに男だと疑ってます」
江戸「ぼくらの世代でやおいっていうとキャプ翼に星矢にトルーパーで…キャプ翼のコスプレした女の子がサッカーボールでシャンデリア壊したりした事件で、それが後々まで引っ張るんですけど、それが大体85年位かな」

江戸栖方コレクション紹介

この辺から客席からの合いの手が増えてくる。このへんは、もう、どう書けばいいのかわかりません。
色々紹介されるのですが、どれも規制前だけなあってオットセイやら秘貝やらが丸見えで、ヤバイシーンがバンバンスクリーンに写ります。…といってもどれもレプリカで中身真っ白でしたよええ
江戸「今で言うコピー誌なんですけど、絵が飛んじゃってる部分があって、インクがとんでカサカサなんですね。コピー誌コレクターの人っていると思うんですけど、早めに処置取らないと大変なことになりますよ
鈴本「ワープロがまだ出始めで高くて、パソコンも今みたいな機能なかったから民生品のプリンターがそれほど安くは売られてなかったんで、こういう冊子ってコピー機でコピーするか、お金をかけてオフセット印刷するかっていう二択になっちゃうっていう時代ですね」
三平「それは昔のだけがそうなるってだけじゃなくて、今のコピー機でもそうなんですか?」
江戸「基本的に粉吹き付けるっていう技法は変わってないんで長持ちはしないんじゃないですかね。単に太陽光に当てないように気をつけようっていうだけじゃ危ないかもしれませんよ
店長「ちなみに江戸さんはどんな対策されてるんですか」
江戸「僕は不活性系のビニールの表紙を巻いて、日の当たらない風通しのいい場所においてあります。あとは木の棚に入れるっていうのも大事ですよ」
そこでまた諸星大二郎系の黒い奴やエログロ系がでてくるという話で、またオットセイや秘貝が何度も何度も出てきます。
三平「わざとですよね?!」
鈴本「なんでそのシーンを捲るかな」

江戸「一つにはアニパロをやって手法を洗練する方向と、同人誌の心意気みたいなのを見せてくるサークルっていうのがあって、アニパロとオリジナルが交互に入ってる本とかもありますし」
さらにはスカトロ(主に小の方)なんかもスクリーンに映されて、ますますカオスな方向に。
店長「何が良くて何が悪いのか段々分からなくなってきました」
三平「善悪の基準が曖昧になってきましたよね
江戸「今のところで84年が終わったなと

ということで一旦休憩に。続きます。

*1:横光利一「微笑」から、だそうな。っていうか前のペンネームも元ネタコレですか(;´Д`) 

*2:ムサイのシルエットクイズとかねー('A`)