ここ最近見て面白かったアニメ

 ということで活字編もひと段落したところで、今回は2007年度で面白かったアニメベスト10でもやってみようかと思ったのですが、
 えーそもそも去年から今年にかけてアニメをさっぱり見てませんで*1、ベスト10挙げようにも毎週毎週ちゃんとチェックしてたアニメが10本以下ということです。ていうか1本ぐらいかも。
 まー仕方が無いんで、劇場版アニメやDVDで見たもの、ネットで見たものなんかも含めてのベスト10ということで、
2007―2008年放映のもの以外も含めての、あくまで「ここ最近見て面白かったアニメ」をご紹介したいと思います。

第10位 秒速5センチメートル


 鬱病誘発アニメとして名高い、ごぞんじ新海誠の劇場アニメ最新作。
 公開当時に見に行ってたのですが、なんだかすっかり感想書き忘れてましたな。なのでこれだけちょっと詳しく感想。
 物語自体は相変わらず中学生のポエムみたいな感じで、「もう!見てるこっちが恥ずかしくなっちゃったわよ!」と赤面しながらもほんのちょっぴり素直すぎる誠くんを羨ましいと思ったりする天野邪子とか伊知川累的なポジションに思わずついてしまうそんな作品。
 最後の最後でヒロインを寝取られて主人公は孤独な無職になって終わるという斬新なエンディングには「こ、これが新海流のリアリズムなのかーっ!?(;´Д`)」とぶっ飛びそうになりましたが、あれは「美化された幼少時の記憶にいつまでも呪縛されてることはない」という、解放のメッセージと解釈すれば…
 でも解放されちゃってどうするんだろう?(;´Д`)
 主人公の貴樹くんは最後はさわやかな顔つきになってましたが、結局事態はなんも良くなってないしねえ。エンディングの後はハローワークにでも向かうんでしょうか。
 監督はパンフレットで「どんなつらいときでも美しい風景の中に自分は生きてるんだと思えればケセラセラさー」という旨の発言をされてますが、そういう考え方があの凄まじい風景描写に繋がるんですかな。
 ということで風景描写なんですが、本当に極まって綺麗ですね。あの田んぼしかない両毛線の風景がここまで美しくなるのか!と感動しました。最近のアニメは舞台に現実の地域を設定してたものが多いですが、作品の中でその地域である必然性があって、加えて泣きそうなほど感動する背景が描かれている作品というのは、実に貴重だと思います。
 背景画集とか出たら買うのになあ。DVDの限定版とかにはついてたんだっけ?ともあれ、全体的に良い作品だと思います。ただ「耳をすませば」系列なので即死攻撃に耐性の無い人は注意な。

第9位 涼宮ハルヒの憂鬱


 いや、実を言うと見てなかったんですハルヒ
 こんなエントリ書いといてなんですが。
 きっと面白いんだろうなーとは思いつつ、「まだ俺にとってハルヒを見るべき時は来てない」というわけわからない直感により長らく回避していたのですが、去年の秋口くらいに意を決して視聴、ああなるほどコレは面白い、若い子に受けるもんだべと感心してました。
 ハルヒの感想や作品解釈なんかは佃煮にしても余るくらい出回ってるわけですが、特に気になったのはやっぱりこれですかねー。あのサイゾーハルヒ記事書いてた人みたいですね。まあ幾つか思うところはありますが、成程こういう解釈もあるだろうなっつう感じで面白いです。惑星開発委員会の本とかも色々手に入れて読んだりしてるので、またいずれ。
 なにはともあれ、ハルヒ自体は面白いアニメだとは思うんで僕のように「なんかハルヒを見る時が来てないような気がする」人はそろそろ見ても良いと思いますよ!

第8位 天元突破グレンラガン


 久々に脳みそアッパーなロボットアニメがやってきたぜ!最後の方の目ん玉グルグル具合とか見るに、石川ゲッターリスペクトな作品なんだろうなと思うんですが、ああいうぶっ飛び具合の作品はナイスですね。
 一応ロボットアニメ史を辿るような意匠が盛り込まれているらしいので、物語の展開からガイナックスのロボットアニメ観とかを読み込むのも面白い作業だと思いますが、それよりも単純に爽快感溢れるロボットアニメとして見ても非常に面白いです。
 ドリルギュイイィーンッ!ミサイルズガガガァーンッ!バキューンッ!ズバーッ!ビーッ!ドカーンッドバーッズババババァーン! てな感じで、とにかく盛り上がるだけ盛り上げる展開や気持ちの良いキャラクターたちは、子供向けロボットアニメとしてかなり高い水準にあると思いました。
 でもこれ子供は見てたのかな。近所のトイザラスには結構プラモが残ってるんだけど(´・ω・`)

第7位 電脳コイル

 相変わらずNHKはポルノアニメを量産してやがるぜ!
 再放送でヤサコさんの腹黒さを確認しつつ、「やはりブサエとダイチがキャッキャウフフでヤサコとイサコの子作りな第二期を作るべきである」と思いを強くする次第です。
 テレ東の入らない地方では、コナン君を除くと土曜6時半のNHK教育アニメが唯一のゴールデンなんて場所もあったりするので、そこでこういう良いアニメを放送するのは素晴らしいこってす。
 あと主題歌が良いなあと思って歌ってる人を検索かけたら江原啓之とコラボしてたりしてゲンナリしたのも良い思い出。でもないか。

第6位 地球防衛企業ダイガード


 これは知人に借りて見たもんなんですが、いやー久しぶりに見ても面白かったです。これももう10年近く前になるんですかね。確かこのアニメがコブラツイスターズ初体験だったような。
 リアリティロボットもの+踊る大走査線という一見陳腐そうなモチーフなんですが、90年代後半のエヴァコピー作品とは一線を画すものがあると思います。「仕事としてロボットで戦う」という部分のせいかですかな。
 こういう雰囲気のアニメも少ないんで、続編とか出来たら嬉しいですね。無理だろうけど。
 あとこれもエンディングテーマ好きだったなあ。

第5位 おにいさまへ…

 

 噎せ返るほどの出崎臭。
 これは「埋もれたアニメを語る〜あなたの知らないアニメの世界〜」というロフトプラスワンでやってたイベントで紹介されてたアニメなんですが、面白い…というか、いや、面白いことは面白いんだけど、面白いとかを超越したなんか情念がズッシリと伝わってくるアニメでした。DVDのチャプター画面からもう「こいつはヤクいぜ!」と思わず口にするほどのオーラが放たれています。
信夫マリ子さんの「ポルノ作家の娘」には笑わせてもらいましたが、なんといっても朝霞れいさまのフライングなシーンが一番でしたかねー。あと一の宮蕗子こと我らの宮様はこえー宮様こえーでもおにいさまとくっ付いて欲しいーって感じでした。
 あれだ、ヤンデレがどうこう言うひとは「おにいさまへ…」を見ると良いと思うよ!
 イベントは第2弾が今年の5月にやるみたいですね。行けるかどうか分かりませんが期待してます。

第4位 河童のクゥと夏休み

 俺的07年ベスト映画。次点は「レミーのおいしいレストラン」。ってノミネートし忘れてたわそういや。まあ良し!
 絵がキモイと敬遠してる人を結構見かけますが、動いてるのを見るとクゥも可愛いですよ。
 「どうせ夏休み家族向けお涙頂戴爽やか映画なんだべ?」とか思ってる人は考えを改めたほうが良いですよ!こんなに血飛沫舞うアニメはそうそう見られやしないですよ!
 カラスの脳みそバーン!近くのおばさんに顔射!岩手!幼女とおすもう!犬が死ぬ!河童も死ぬ!座敷童子ババア!宅急便!ヒューマンニンジャサムラーイ!埼玉!カラスの脳みそバーン!CLAMPの「X」っぽい東京タワーカタストロフィ!ちんこ!マスゴミ!ブリーフをはいた少年!家族の絆!カラスの脳みそバーン!沖縄!
 とまあ以上、この作品の重要なキーワードを幾つか挙げましたが、御覧のように「家族の絆」くらいしか良い言葉が入ってないでしょう!?子供が見ても大人が見ても楽しめるハートフル&バイオレンスな作品なんですよ!好き嫌いしないで是非見て欲しいアニメ。おすすめです。
 でも映画館だと家族連れとオタクしか居ないと思ったら女性一人の客が結構いたんですが、どういう客層なんだろ?

第3位 夢のクレヨン王国

 
 これももう10年前の作品ですね。…実を言うと、この作品はニコニコしたアレをナニしてソレで見た作品だったりします。
 まあその辺の話はさておき、「人には優しくしよう」「困っている人は助けよう」「つらい事も多いけど、ありのまま生きていこう」「欠点は受け入れて、長所に変わるよう努力しよう」という非常に教育的なメッセージを、ドタバタなコメディの中に入れているザ・子供向けな作品。
 笑って泣いて考えさせられてまた笑って、いやーそうだよアニメってこういうんだよ!これがアニメだよ!という気にさせられる作品。のちの「おジャ魔女どれみ」にもこういう精神は伝わっていきますね。
 やっぱり下手にオタ受けを意識した作品より、こういうド直球子供向けのアニメの方が好きだなあ。
 ということで「ボンバーマンジェッターズ」とか「ムシキング」とか好きな人にもオススメ。そういうのが好きな人はオススメされなくても見てるわっつう話ですが
 プリキュアも悪くは無いんですけど、そろそろセラムン系から路線を戻してほしいなあという気もします。


 え、ナージャの二期?ああ、そういうのはいいから。*2

第2位 チャージマン研

 
 今年最も衝撃的だった作品といえば、なんといってもチャージマン研を置いて他ありますまい!
 これも件の「埋もれたアニメを語る〜あなたの知らないアニメの世界〜」で初めて知ったのですが、いや、
 これは凄い!凄すぎる!
 そうだ、これがオタクだ!オタク好きのするアニメだ!
 おかげで僕もクソアニメの道がバーっと開けていきました。
 ありがとう「埋もれたアニメを語る」の皆さん!ありがとうロフトプラスワン!ありがとうアニメの王国通り!ありがとうチャージマン研!ありがとう…


 多くは語りません、僕が一番お気に入りの話「頭の中にダイナマイト」を御覧ください、見ればわかる、わかるんだーっ!
 

第1位

 さていよいよベストオブベストの発表です。まあ2007年度のアニメといえば、オタク業界はあのアニメが席巻していたといっても過言ではありますまい。
 というと皆さんピンと来たでしょう。まあ地方とアニメがどうだこうだと何度も語ってきたこのブログで、あのアニメを外して語るわけにもいきませんからな。
 なんか鉄板過ぎて意外性もクソもないですが、まあその辺はね。
 さあそれではいよいよ発表です!
 栄えある(あるかな?)ここ最近でもっとも面白かったアニメ、それはご存知……






























































 やっとかめ探偵団だーっ!
 
 物語は清水義範原作小説という磐石な基礎をもち、そこにアニメ独自のデフォルメされた絵柄を導入し、原作には無かった「マイマイ探偵団」などのエッセンスを加えることで、既存ファン層にも高い評価を受けました。
 また新規視聴者に対しては「ババア」「名古屋弁」「三遊亭円丈師匠」といったオリジナリティ溢れる萌え要素がふんだんに使い、またそこから「名古屋萌え」という独特の世界観を構築したことで、かつてないほどに高い独創性を打ち出し、圧倒的な支持を集めました。
 また「スポンサーとの契約が切れて放送打ち切り」という番組の外のトホホな出来事も含めて、審査員(俺)から非常に高い評価を得たため、2007年度最優秀アニメの座にぶっちぎりで輝くこととなりました。
 第一話から「老人による痴情と痴呆のもつれで起きた殺人事件」を描くと言う、非常に社会性が高いんだけど日曜朝に放映する内容じゃねーだろ!とツッコミを受けることを厭わない、実に勇敢かつユーモラスな番組に、名古屋っ子はもうメロメロ。
 その名古屋プロパガンダとも取れる内容に全国で議論が巻き起こりましたが、これもまた人気作品の宿業とでも言えるでしょう。
 審査員が視聴したのが1月以降であるというハンデをものともせず、他の優れたアニメの数々を追い抜いての優勝となりました。このダークホースの活躍に大きく貢献したニコニコ動画にも拍手を送りたいと思います。
 あ、ニコニコで見たってバレちまったよ!


 なにはともあれ、「やっとかめ探偵団」、マジで面白いアニメです!DVDとかはもう絶対出ないでしょうから、まだ未見の方はアレをソレするような方法を使ってでも是非見てください!





 え、「らき☆すた」?
 うむ…あれはまだ見るべき時が来ていないのだ…っ!

*1:放映してないというのも大きいんですが

*2:一応言っておくと明日のナージャは大好きですよ!ホント!