ここ最近読んで面白かった本(活字編その2)
- 作者: ニコラスハンフリー,メルコールマン,Nicholas Humphrey,Mel Calman,垂水雄二
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 1993/11
- メディア: 単行本
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この本だけは借りて読んだやつなんで手元に無いのですが、大まかな内容は、「人の心の意識とは進化的に見てどのような役割を持って淘汰に勝ち残ってきたのか」というものです。
意識という言葉によって私が意味するのは、私たちが自らをどのようなものとして思い描いているか、その内なる像、つまり自己認識のことである。私たちの一人一人に「自我」と呼ばれる心(自己、魂……)が存在することを言っているのだ。思考のほか、感情、感覚、記憶、願望を持つものが「自我」である。私自身の存在と、自らの時間的な連続性を意識しているのが「自我」である。要するに、「自我」こそまさに人間であることの本質なのだ。
(ニコラス・ハンフリー「内なる目―意識の進化論」紀伊国屋書店)
引用文はこちらから孫引きさせていただきました。
「私は今ブログを書いている」とか「私は喉が渇いた」とか「目の前の人はおなかが空いて苦しそうだ」という、自分や他人の心がどうなっているかについて考える「意識」や「自我」というもの。こうしたものは人類のほかチンパンジーにそれっぽいのがチョイと見られる程度で、犬や猫は自分が何を考えているかとか、飼主が今何を感じているかなんてのを意識することは出来ません。
自然界でも極めて特異なこの性質は、進化の上でどのような価値を持っていたのでしょうか。それはおそらく「自分の心をモデルとして他人の心について洞察できる」能力があることで、他の社会性動物は持たない類のコミュニケーションを可能にし、それによる生存能力の大きな向上をもたらしたのではないか、つうことですね。
またこちらから孫引きさせてもらいますと、ようは以下の文章にあるようなことなわけです。
他者に当てはめるためのモデルとして自らを使うというこのトリックは、人類に非常によく役立つものとなっている(そしてこれまでもつねに役立ってきた)ほどなのだ。つまり、常識としてあるいは科学として知られている他のいかなる心理学の実践法よりも実際に優れているのである。
進化的な見方からすれば、それは巨大な飛躍だったに違いない。競争相手たちの内面生活について現実性のある推量を行なえる能力を発達させた最初の人類の祖先が手に入れた生物学的な恩恵を想像してもみよ。他人が何を考え、次にどうしようと計画しているかを思い描くことができ、自分自身の心を読むことによって他人の心を読むことができる。共感、同情、信頼、反逆、裏切り(まさに私たちを人間たらしめている要件)といった、人間の社会的関係における新たな協定への道が切り開かれたのだ。
(ニコラス・ハンフリー「内なる目―意識の進化論」紀伊国屋書店
この本はBBCだかのドキュメンタリー番組用の内容を本に直したもので、あんまり専門用語とかも無く、挿絵入りでサクサク読めるのでおすすめです。高いけど。
進化心理学関連はこんなもんですかね。
- 作者: ティム・ハーフォード,遠藤真美
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2006/09/14
- メディア: 単行本
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でも経済学について書かれた読み物は、計算式とか見えないところで処理してくれるんで、その辺の脳みそ使わなくて楽で良いですな。つってもヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検するとか経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには (中公新書)くらいしか読んだこと無いんですが。
で、たしか読んだのが2007年になってからだったような気がするんですが、「まっとうな経済学」は経済学の教科書に書かれてるような理論を色々な事例から引き出して説明するという内容で面白かったですな。んでまあ今はクルーグマン教授のミクロ経済学が面白いし分かりやすいという噂を聞くのですが
- 作者: ポールクルーグマン,ロビンウェルス,Paul Krugman,Robin Wells,大山道広,石橋孝次,塩澤修平,白井義昌,大東一郎
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/09/01
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しかし、一般常識として経済学を知ろうとした研究者でも学生でもない私にとって、実は最高の入門書でした。高価ですしやたら情報量が多いですが、中身の薄い自称入門書を100冊購入するより余程コストパフォーマンスが高いです。
…
スティグリッツやマンキュー、ヴァリアンを全て読破したが、現時点ではその頂点に立つと思っている。…
頻繁に使われるトピックスを紹介していて誰にでも興味をもてる内容になっています。
数式は簡単な四則演算のみです。
(以上、アマゾンレビューより)
…う、うむ!これなら私にも経済学が出来そうな気がしてきたよ!*1
しかしなんかまたちょっと書いただけで眠くなっちゃったね!
20時くらいから書き始めてるのに気がつくと日付変わってるし。もうちょっと集中して書きましょう僕。
まあ今はまだリハビリということで、また次回に続きます。
*1:ちなみに僕は進研ゼミとかによく騙されました