ここ最近読んで面白かった本(漫画編)

うう…とてもそれぞれの本の感想とか読解とか、やってらんない状況です…('A`)
とりあえずこの半年くらいで読んだ本で特に面白かったのを幾つか挙げていきたいと思います。


オーレ! 01 (BUNCH COMICS)

オーレ! 01 (BUNCH COMICS)

「ピース電器」「オレンジ」でおなじみ、能田達規先生の新作。と思ってたらもう打ち切られてしもうた('A`)
地域格差・地域振興とサッカー」といった、「オレンジ」でのテーマをより掘り下げた作品で、「オレンジ」にあったような、リアルなサッカークラブ経営を描こうとした野心作。*1
地域における文化環境がどんなもんかというが描かれていて、個人的にとても注目していたのですが、一般ウケしなかったのか大人の事情なのか、残念な結末に。面白いのになあ…
能田先生の次回作にもご期待ください。


チキタ・gugu 7 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

チキタ・gugu 7 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

これは本当に傑作!
「チキタ」と出会ってTONO作品を買い集めてしまいました。短編集「カレンのファスナー」のオビに「とのちゃんたら絵はカワイイのによくもまあこんな話を」とあるように、可愛らしい絵柄に反して、刺すような鋭い毒のある作風です。
人食いの妖怪ラー・ラム・デラルと、「まずい」人間チキタ・グーグーの交流を通して、「人間と動物」「共感と倫理」「孤独と理解」といったテーマを描いた作品。
永野のりこ作品とか好きな人はきっと好きになると思います。なんとなく。
たぶん作者の世代が近いんで、問題意識とかが似たような感じになってるんだと思うのですが。
この間出た「ラビット・ハンティング」もそうでしたが、トラウマとか傷を抱えた存在つう手垢のついたテーマを、至極真っ当なやり方で乗り越えて、普遍性のある作品になっています。まだ最終回見てないけど。
「チキタ」の雑誌連載分は完結しており、単行本だと次回8巻で完結。早ければ今年中、たぶん来年の春先くらいには出る…と良いですね。朝日ソノラマつぶれちゃったけど('A`)


フラワー・オブ・ライフ (1) (ウィングス・コミックス)

フラワー・オブ・ライフ (1) (ウィングス・コミックス)

これも最近になって読んだんですが、いやホント面白かったです。
確かにその辺の中高生とか、大学生くらいの人は「電波男」とかより「フラワー・オブ・ライフ」を読んだほうが良いのかもね…
この作品の内容そのものについては「ひとりで勝手にマンガ夜話」さんがガッツリ語られているし、「さて次の企画は」さんでも分析されているので、僕が付け加えることはあんま無いです。
ただなんというか、喫茶店カップルの横に座りながら「フラワー・オブ・ライフ」読んで泣いてる人間に、「普通」の「青春」は遠いなあと思いました。


[rakuten:book:11892831:detail]
半年というかもう読んで一年くらいになるのでしょうか、ずーっとレビューしようしようと思いつつ放置してたらすっかりメジャーな作品になってしまいました。
こちらも紙屋研究所さんの解説が秀逸です。
武富健治作品は、タコシェで買った同人誌の「シャイ子と本の虫」(短編集「掃除当番」収録)にガーンとショックを受けて、それ以来ハマっています。
「割合真面目な気質の中学生の心の機微」とか、「それを見つめる年長者の視点」というのが、凄く上手に、慈しむような目線で描かれているのが魅力的です。「こういう考え方の人が教師やってたら良かったなー」と思っていたので、「鈴木先生」は期待以上の内容に楽しませてもらっています。

実録!関東昭和軍(1) (モーニング KC)

実録!関東昭和軍(1) (モーニング KC)

押忍!
「実録!関東昭和軍」は「野球の性、悪なり!」というか「体育会系の性、悪なり!」ということが実に生き生きと描かれた名作だと思います、押忍!
オタクのくせに中高6年間、半端に強豪な体育会系の部活に所属していた自分には、「体育会系の上下関係の中で起こる理不尽さ」や「気合と根性と心理戦の背後にある大人の駆け引き」があまりに生々しすぎであります、押忍!
しかしこんなに面白いのに、ネット界隈じゃあんまり話題になってなかったり、モーニングでの掲載位置が微妙な所なのが少々気になるであります、押忍!
なんで自分の好きなスポーツマンガはどれもこれも打ち切られそうなのばっかりなんでしょうか、押忍!


とまあ、このところ読んだ漫画でオススメなのはこんな感じです。いやーこうして見ると全然新規開拓出来てないなホント('A`)
次回は一般の書籍を紹介します…
ってこっちの方こそ全然読んでないんですが。

*1:ただまあ、その「少年漫画的ヒーロー性を極力排して」ってところがもうひとつだったんかもね。