オタク・ルネッサンス-80年代アニメ美少女編−レポ

「オタク・ルネッサンス-80年代アニメ美少女編-」
うる星やつら」「ミンキーモモ」「クリィミーマミ」「幻夢戦記レダ」「ガルフォース」「イクサー1」そして「くりいむレモン」シリーズ…80年代アニメを彩った二次元美少女達の魅力を、当時青春時代の真っ只中にいた各界の名士たちが熱く濃く語り明かす!!コンセプトは「思い込み」と「理屈抜き」!
【予測される当日の話題】
・「うる星」は何話目が最高か?
・「モモ」のエンディングはあれでよかったのか?
・「レダ」、あなたは「陽子」派?「ヨニ」派?
・あの作品の、この美少女に激萌え!!
くりいむレモンシリーズの「スーパーバージン」は、ほんとに失敗作か?
・ロボットアニメの美少女たち
【出演者】 江戸栖方(1969年生まれ)「萌え萌え同人誌ナイト」主催
東浩紀(1971年生まれ)哲学者、批評家 キムラケイサク(1969年生まれ)ひのき一志(1969年生まれ)「アニソン1000曲メドレー」主催&MCコンビ他、豪華ゲスト多数あり!!
Open18:30/Start19:30
¥1200(飲食別)≪当日券のみ≫
http://www.loft-prj.co.jp/plusone/より

ということで大分間が空いてしまいましたが、「オタク・ルネッサンス」のイベントのレポートでも書きたいと思いますよ。記憶を頼りに書いてるので、少々事実と異なった部分もあるやもしれませんが御了承くださいな。
まずは上にある通りの面々が登場。
というかゲストが誰なのかとかよく確認せずに見に来てたので、あの東浩紀がいるというのにビックリ。ゲストのオタク酒も、最初はテンションの高さに気圧差で台風が生じないかとかってに改造な心配をしてたのですが、すぐに慣れてみんなのノリも良くなってきたので杞憂でした。
むしろ東先生がやたらテンションに波があるというか、ある意味一番面白かったです。


まず八〇年代のアニメついて、TV・映画・OVAにエロアニメで主要なものを時系列順にざっとおさらい。それが普通にワードで書いたものだったので「パワーポイントじゃないじゃん!」と東さんから突っ込まれたりしてました。
劇場版ガンダムに始まり、バルディオスに千年女王、わが青春のアルカディアイデオンCOBRAうる星やつら幻魔大戦クラッシャージョウザブングルグラフィティ、ダロス、ナウシカ、少女薔薇刑くりぃむレモンメガゾーン23幻夢戦記レダ、戦え!!イクサー1、街角のメルヘン、アリオンダンガイオー、などなどを、さらっと流したりコメントつけたり動画みたりしながら進行。


キムラ「俺小生意気なアニメオタクだったから、ナウシカみてないんですよ。『宮崎はもう終わった』とか言って」
江戸「媚・妹・Babyって、音だけ聞くと吉川晃司だと思う奴がいるんですけど」
ひのき「タイトル考えた人、してやったと思ったでしょうね」
江戸「ピンク映画のタイトルのつけ方ですよね」
キムラ「僕ピンク映画の助監督やってたんですけど、ピンク映画のタイトルって、脚本の段階では文芸作品っぽいのをつけるんですよ。『深遠からの脱出』とか。そうしないとロケ地とかを貸してもらえないんです。それが劇場公開するときには『馬と女と犬』みたいなのになってたり
東「真面目に言うと、レダって結構重要な作品だと思うんです。でも今日はそういうのはナシだからね…でも俺、これに出てくる犬にむかついてたんだよね。こいつだけデザインコンセプトが違うじゃん。企画段階で混じっちゃったのかな」
キムラ「俺、Zガンダムで話がややこしくなったあたりで『アニメはダメだ!』つって一旦決別して、特撮ばっかり見てたんですよ。アニメを見てもミンキーモモとかの美少女アニメばっかりで」
東「そのとき、OVAブームがくるじゃないですか。経済的にも追い討ちかけられるわけですよ。OVAって、『おまえは何、毎月8000円払う気あんの』みたいな感じでしょ?
キムラ「高1くらいで14800円とかはねえ」
東「ムリですよ」

やがてくりぃむレモンに話がうつり、八作目の「スーパーバージン」を鑑賞。
参考http://creamlemon.jp/story/index.html
少女が何者かに襲われるも、超能力で追い払うシーンからスタート。
きっと守ってみせる、この処女にだけ与えられた力を!」というセリフに爆笑。他にも突っ込みどころ満載な作品。
処女の超能力者の集団みたいなのがあり、それに襲われて素っ裸にされる童貞。
ひのき「ただの痴女集団じゃないですか」
童貞が服を剥かれつつ「くそー!、童貞を捨てるのは好きな人と決めていたのに、これが穢れを知らぬ処女の本当の姿かーっ!」と叫ぶと、ワープしていなくなってしまう。なんとその童貞男もまた「超童貞倶楽部」というのに所属する童貞超能力者だった。
キムラ「超童貞!」
江戸「2ちゃんに超童貞スレとか立てて欲しいですね」
キムラ「今見ると、名作劇場みたいな感じの絵柄で良いかもしれませんね…でも、当時の俺には許せなかったんだよなあ」


その後もくりぃむレモンの話がつづいたり、アニメ版バラバンバなどを鑑賞したりする。
キムラ「今バイオレンスジャックが出てましたよ。エロアニメなのに」
江戸「展開に理屈がないですよね。投げやりな感じで」
キムラ「今日なんの集いでしたっけ?
ひのき「エロアニメ同好会でしょ?


そして86年くらいの話で、アニメージュが取り出される。この頃にはアニメージュも硬派から軟派な感じに移行しつつあり、表紙を開けると最初に「妹よ…」というタイトルのふろくとじがあったりする。

'86は妹の時代。
不確実性の今だからこそ
身内の"きずな"が意味をもつのだ。
不幸にしてひとりっこのきみ。
あるいはお姉さんや男の兄弟しかいないきみ。
せめてアニメのなかで、その満たされない思いを果たしてほしい。
アニメージュ86年4月号)

この中にはウランちゃんからの妹キャラの進化というか列挙がされているのですが、ここにはまだマシンロボのレイナとかその後のシスプリもこういう深い歴史的背景の下受容されたんだな…と思うと感慨もひとしおです。
でもお姉さんのほうがもっと好きです。


それからまたエロアニメ見たり、ダンガイオーのオープニングだけ見たりなんだかんだとしてるうちに前半終了の時間に。
キムラ「どうでした東さん、ここまで見てて」
東「いやー、みんなエロアニメばっか見てんだなと思いました

ということで前半終了、休憩を挟んで後半に。


東「本質的な話をすると、1969年生まれと71年生まれで結構決定的な差が生じているので、話に入れないんですよ」
キムラ「ぼくら中三の時に中一だと、やっぱり結構効きますかね」
ひのき「そんなにサイクルが早かったんですかね」
東「さっきも見た通り、84・85年(東浩紀が中学1・2年で他三者が中三から高校一年くらい?)に凄い集中してるんですよ。いろんなのが。そんときも、別にエロアニメばっか見てたわけではなかったような…」
キムラ「いや、別に俺が極端に見すぎな人間てわけでもなくて、くりぃむレモンとかは、わりとその辺の普通の高校生でも見てましたよ。ちょっとオタク入ってる奴なら」
東「高校と中学って、バイトが出来るかどうかとか、お金がどういう風に流れるかが違うんですよ。高校生なら夏バイトしてOVA買ったりとか、レンタルの会員証を自由に作れたりとかが結構効いてくるんですよ。僕の場合だと、中学時代はあまり自由にOVA見れてないですね」
キムラ「良い先輩がいると貸してくれたりするんですけどね」
東「ありますよ。あの頃の作品て全部人からのもので見てましたから。でも自分で金持ってるかどうかで結構違うじゃないですか」

ここでお宝自慢のコーナー。ミンキーモモななこSOSの台本(それぞれ小山茉美吾妻ひでおのサイン入り)をキムラさんが取り出したところ、東先生が大興奮。
東「これ僕が落とします!」
キムラ「いや、これはお客さん用のプレゼントでもってきたんですよ」
東「いや!これ本当に欲しいので!
と理由になってない理屈をつけてゴネる東浩紀
キムラ「でもこれ、僕の誕生日に友達がくれたものなんですけど、ホントは彼が書いたサインなんですよ」
ひのき「よく見たら二つとも筆跡同じじゃん
キムラ「これを差し出されたとき、俺がどれだけ狂喜乱舞したか!僕はその絶望感を皆に味合わせたくて、今日ここに持ってきたんですよ。大体吾妻先生も、いくらなんでも『あじま』って自分で書かないでしょう」
そして東先生のお宝は、感想文コンテストだかに入選したときにもらったうる星やつらの台本。
キムラ「これプレゼントですか?」
東「ちがいます!」


で、87年あたりからの話。
マシンロボ逆シャアアップルシードパトレイバーSDガンダム、ゴッドマーズ、宇宙の戦士、プロジェクトA子、銀英伝バルテュス、FSS、ウルトラマンUSA、魔女の宅急便など。

東「(魔女の宅急便について)僕、すっごい大好きなんですよ。サントラとか買いに遠くの町まで自転車で行ったりして。帰ってきたら家の妹に『どこ行ったの?』とか聞かれて『町田までCD買いに』って言ったら『どうせまたアニメのサントラでしょ』とか言われてすごい傷つきました
キムラ「今の話聞いて、妹も良いかなと思いました」
東「すごい軽蔑されてましたよ。僕、部屋にポスターとか貼ってたし。マジで気持ち悪がられてました
キムラ「いや、割と軽蔑されるのもいいかなと
東先生はそんな妹さんのなかよしをパクって読んでた、という話から、竹本泉の話へ。
東「僕『パイナップルみたい』が凄い好きだったんですよ。あれは素晴らしい。それでチェス部のある中学に進学しようと思って、実際に受験してたんですよ。それで受かって、やったこれでリアルあおいちゃんパニックの世界だ、と思ってたらうちの親が『こっちのほうが安いから』っていう理由で選んだ学校に入れさせられましたよ。ホントはチェス部はいる予定だったんですよ!チェス部の先輩に『絶対入りますから!』とか約束したりしてましたし」
キムラ「じゃあ今度俺とチェスしましょうよ。クッキー食べながら
東「俺初めて買った同人誌が竹本泉のだもん」
江戸「あおいちゃんパニックのパロディでやおいちゃんパニックみたいな
東「ちがうよ!そういうんじゃないって!今キレそうになったよ俺。竹本泉公式ファンクラブとか入ってましたよ。しかし懐かしいな、まだ晴海だった頃だよ」

その後、魔女の宅急便はホントに良い、という話になって、あらかた80年代の復習が終わったところで、またワードで作られたアニメの表がでてくる。赤い色がつけられているアニメは萌えるキャラが出てきた作品で、緑色が良作、という風に分けられている。しかしなぜかスーキャット*1に赤がついていたり、初っ端から物議を醸す。
イデオンはアーシュラの首が飛ぶからとか、28号は正太郎君が可愛いから、それぞれ赤でオッケーとか、江戸さんの主観でどんどん決められていく80年代のアニメ状況。
じゃりン子チエとかアラレちゃんやマチコ先生などに赤がついてたりしながらグレンダイザーなどにと、いまいち判断基準が理解できないので皆戸惑う。
江戸「ときめきトゥナイトの最終回のエンディング覚えてる人います?」
キムラ「全員出てくるやつでしたっけ」
江戸「鈴世くんも裸になるですよ!ショタ好きにはたまりませんよ、もうお姉さん鼻血ブーってかんじで
キムラ「いやでもオッサンとかも裸になってるじゃないですか」
江戸「いやでも、それはそれでそういう人にはたまんないじゃないですか
キムラ「そんなこと言ったら何だってたまんないじゃないですか!

暴走する江戸さんは、キン肉マンにいたってはミートくんが良いと言い、会場をざわめかせる。
キムラ「節操無さ過ぎですよ!」
江戸「だってミートくんて凄いよ!メガネでショタだよ!しかも2世でもコールドスリープしてくるわけでしょ。こんな健気なやついませんよ


そのほかにも、北斗の拳はフドウが囲ってる子ども達が良いとか、三つ目がとおるの和登さんは空手で殴ってくれるから良いとか、はじめてのチュウは狂ってるとか、味平は奥さんや山岡みつ子よりもコオロギが良いとか、共感できたりできなかったり、そもそも認識からしておかしかったりするものもあったりと、ますます混沌とした様相に。
キムラ「江戸さんの見てた北斗の拳と俺の見てた北斗の拳は違うのかなあ…あ、男塾は赤がついてないですね」
江戸「男塾ついてたら嫌でしょう!」
キムラ「いやもう何が来ても驚きませんけどね


美味しんぼの栗田さんの話。
キムラ「守備範囲ホント広いですね!」
江戸「昔はダメだったんですけど、この歳になると、なんだか年下のかわいい後輩みたいな感じがして大丈夫になりましたね
キムラ「その割にはバクシンガーのあたりのキャラを『オバサンだから』って切り捨ててましたが
江戸「そのへんは生臭さが無さ過ぎるんですよ
他にも色々ぶっ飛んだ発言があったのですが、到底まとめられそうにないです。


で、ジャングル大帝のレオもいいなあ、などという話をしているうちにいよいよ八〇年代のまとめに。
キムラ「とりあえず、俺達の生きてた八〇年代と江戸さんの生きてた八〇年代が違うものだということがわかりました。ホント何から突っ込めばいいのか…」
東「ホントですよね。なんだったんですかこの集いは?だって別に美少女モノが多かったっていうわけでもないですよね!?勝手につけてるだけっていう」
キムラ「この表だけみたFBI捜査官が、心理分析とかして江戸さんにたどり着くかどうか見てみたいですよね」
東「でもこうやって見ると、やっぱり八〇年代って今よりアニメ少ないよね」
キムラ「逆に言うと、今が多すぎますよね」
江戸「今日ここで色々笑いがとれたっていうのは、八〇年代のアニメが見ようと思えば全部見れたことを示しているんですよ。ゴールデンタイムとか朝とか、子どもが見る時間に合わせて放映されてたんです。そういう状況が今ないでしょ」
東「80年代は子供向けに開かれた状況がありますよね
キムラ「でもここで僕らが八〇年代のアニメで今見ても面白いって言ってるのは、多分当時の思い入れとかが強いんですよね。だから全然見たこと無い人に『これ面白かったんだよ!』って言ってイクサー1とか渡しても、あんまり受けないと思うんですよ
江戸「でもそういうのがみんなの共通認識になってないのって、オタクが年代別でカテゴライズされる一番の原因になってると思うんですよね
東「80年代だと見たこと無い作品も結構あるんだけど、見てない作品でもタイトルくらいは聞いたことがあって、全体を押さえられてる気はする」
江戸「まじぽかとかこいこい7とか言われても皆覚えてないでしょ?コンサートにあんなに人いっぱい居たのにみんなどこいっちゃったんだろう。この時代って一年間やってるんですよ。4クールが自然だから、クオリティも練りこみも違うんですよね。今だとDVDで回収するしかないから。そういう意味では、アニメも製作工程からなにから色々考えなくちゃいけないと思うんですけど
東「OVAが出てきてからちょっと変わったなっていうのが僕の実感としてあるんですよ。っていうのもOVAが出てきたのが僕がちょうど高校生(87年)くらいからなんで、ちょうどその頃からアニメが見難くなったなって気はします。お金とか先輩のつながりがないと見れない、みたいな。コネクションをもってる人間だけが強くて、ガーッとディープな方向に進んじゃうみたいな
キムラ「あのビデオ持ってるっていうのが一種のステータスになったりね」
江戸「それを一番体現したのが多分宮崎勤だったと思うんです。あの人のビデオっていうモノだけに対するキチガイじみたコミュニケーションて凄いですよ。このCMが欲しい、とかなったら物々交換なわけでしょ。そういう歪んだ人たちを生み出したっていう点では、厳しいものがあると思いますよ。おれが一番歪んでるかも知んないけど。あ、なんか纏まったこれ!」
ロフトの人「まとめとしては、いっぱいアニメを見ましょうということで


で、最後は告知とプレゼントジャンケン大会の後で、「ときめきトゥナイト」のエンディング鑑賞。
通常

最終回バージョン

ということでオタクルネッサンスも凄い内容のイベントでしたが、明日というか今日のお昼からロフトプラスワンで今度はマンガのイベントがやるみたいです。

面白漫画倶楽部
俺たちは、こんな漫画が大好きだ!この漫画はこんなに面白い!この漫画の、作者の、こんな面を知って欲しい!漫画好きの魂が叫ぶ!土曜の昼間から酒を飲みつつ漫画好き達が好きな漫画作品と作者への思い・愛を語るイベント『面白漫画倶楽部』。マンガ好きなら一緒に飲もう!
≪内容≫
■世に存在する面白漫画・独特表現の漫画を商業誌/同人誌、オタク/サブカル、日本/海外を問わずに紹介するイベントです。
■面白漫画紹介100本ノック!!珍作、奇作、傑作、怪作、変作、ぶっ飛び漫画、続々登場。
小池一夫研究発表〜「裸問題について」「19世紀のアメリカで70過ぎた老武士が大暴れ」等
■日本発の特撮を元にした海外版漫画紹介、香港等で“仮面超人”が、“超人TIGA”が大活躍!
≪追加情報≫
■木持隆司氏(木持アート出版)のゲスト参加が決定しました。木持隆司氏は『海のプリンセス エミちゃん』『タイムパトロール ユカちゃん』 など独特な作風で有名な作家です。イベントでは木持アート出版の世界について語りたいと思います!
【出演】木持隆司氏(木持アート出版)、新田五郎(ふぬけ共和国)、ヒライ&スーパーログ(エレクチオンナウ)、江戸栖方(萌え萌え同人誌ナイト☆主催)、KRONOS(SFC CRASH ANDBURN)他。
【司会】バッドガイナベ(バカ映像伍虎将軍)、かに三匹(かに温泉)

\1000(飲食別)


mixiコミュ:http://mixi.jp/view_community.pl?id=1164423

http://home9.highway.ne.jp/hwh01348/
http://www.loft-prj.co.jp/plusone/より

僕はいけないので誰かがレポを書いてくれるのを期待してます。

*1:疑猫化?されたキャンディーズが芸能界でのし上がるサクセスストーリーだったような気がする