萌え萌え同人誌ナイトレポ(2)

前半部からかなり時間があいてしまいましたが、1月10日に行われた「萌え萌え同人誌ナイト」についてのメモやらなんやらが発掘されたのでレポを書きましたよ。
ということで前半部はhttp://d.hatena.ne.jp/derorinman/20060112/1137072342。まあ最初にそっちのほう読んで頂けるとありがたいかなと思います('A`)
とりあえず後半から読むという人のためにおさらいしときますと、司会進行はSLUDGE VANGUARDという、江戸拳破さんと鈴本あきらさんという二人のライターさんのコンビと、なぜかロフトプラスワンの店長で、江戸拳破さんが同人誌の歴史について80年代末まで説明していき、90年代からゲストの本田透が担当するという形で進んでいくイベント…だったはずが、気がつくと江戸さんの一人語りのようになり、本田さんが司会みたくなってました。でまあ無修正ロリコン同人誌やらバービーちゃん官能写真集なんていうかなりアレなものまで飛び出してさあ大変、一体どうなるのかしらという流れ。
後半の最初は事前に配られたアンケート用紙の質問などに答えていく形。

鈴本「あ、江戸さん面白い質問きてますよ。これは昔からコミケ行ってる人でないとわかんないですね。『昔晴海時代に待ち途中の女性がレイプされたという話を聞いたのですが本当ですか』俺も知りたいな」
江戸「知らないですよ!こんなの答えられないじゃないですか!え?俺が犯人かってこと?」
本田「あんな人の多いところでってことですか?、そんなシャトルジャパンのぶっかけビデオじゃないんだから、ないと思いますよ
江戸「ただ徹夜でって話は聞いたことあるな。池袋のCレヴォだっけか、あれは公園に並ぶでしょ?それが結構危ないみたいな話は聞いたことありますけど。まあいいや、僕徹夜とかしないから。なんにしても、この時間帯に話せる話じゃないんで」
鈴本「え、結局知ってんの?」
江戸「いやいや」
あいまいに濁す江戸氏。
店長「『僕は地方在住なのですが、田舎の同人誌即売会などでは女性向けのサークルや同人誌ばかりで、男性向けのものは滅多にありません。よほど大きなものでない限り、地方で男性向けのものはありません。東京近郊ではそんなことも無いようなのですが、その違いはどこから生まれるとおもいますか』」*1
江戸「それはやっぱり集客ですよね。いまになってしまえば特殊な趣味って言うわけでもないですけど、特殊な趣味って言うのはある程度の人数が集まらないとイベントとして成立しないし
本田「僕が若い頃、関西もやっぱり腐女子系ばっかりで、凄い肩身狭かったんですよ」
江戸「そういう傾向はありますね。その反動かどうかわかんないんですけど…今僕、中古同人誌のことについて考えてるんですよ。東京の中古同人誌市場と大阪名古屋の中古同人誌市場って傾向が違うんですよ。東京とかだとあっさりして可愛い系が売れるんですけど、地方…特に大阪名古屋は、えげつないもののほうが売れるんですよ
本田「さっきの諸星大二郎みたいな黒ーいのが!」
江戸「値段のランキングも、まんだらけとか、k-booksとか傾向が全然違うんですよねきっと」
本田「まだ垢抜けてないんですかね」
江戸「そういうものが入ってくるのが遅かったので、まだ黒いものが残っちゃってるんですよ」
本田「発展途上なんですか。まだ80年代初期みたいな。それが段々脱色されてきて…」
江戸「そうですね。関西っていまだに右手の友社とか売れてるみたいですし。だから地方ではオタクの絶対的人数が少ないってのがあるのでは」
本田「でも地方に女性のオタクは多いんですよね?その違いは何なのかと」
江戸「うーん…僕はずっと東京にいるんで、その辺の感性はわかりません」
本田「僕神戸だったんですけど、10代の頃はホント居場所が無くてつらかったですね」
江戸「東京は85年くらいからロリケットとかやってましたからね」
本田「夢のような場所ですね。僕高校で文芸部入ってオタクになろうとしたら腐女子しかいないんですよ。部長は諸葛孔明様命ですたーい!とか言ってる左門豊作子で、その隣に周喩さまとか言ってる鶏ガラみたいなガリガリの女がいたりして。あの辺で女性恐怖症が悪化しました
江戸「山岸涼子好きな女とか結構いましたよね」
本田「山岸涼子は僕も好きだったんですけど、山岸涼子が好きな腐女子の方々は好きになれなかったんです
本田さん、ゲストなんでもぐら先生みたいなトークしてます。
店長「『好きな萌えキャラをランキングづけるとしたらなんですか?』」
本田「ええ!?いきなりそんなこと言われても、今までの人生が走馬灯のように…ううーん、難しいですね、90年代はアスカさまだし、80年代は…」
江戸「僕はオーガスモームちゃん」
本田「あ、僕はオーガスのミムジィちゃん。だからロリコンじゃなくて巨乳がすきだから…モームってメカじゃないですか」
江戸「そうですよ!メカでメイドで幼女なんですよ!三冠王です!何でも入ってますよ!」
本田「だから当時の僕には新し過ぎたんですね…あとシャイアさんには冷たかったですね。」
江戸「でも入浴シーンとかあったじゃないですか」
本田「入浴シーンでも羞恥がないから」
鈴本「すいません、二人だけで突っ走らないでください」

質問コーナーがおわり本題へ戻る。
江戸「さっき『ラムロイド』っていう、うる星やつらラムちゃんがメカになってるって同人誌みせたんですけど、こうした女の子をメカに見立てたり、メカを女の子に擬人化したりってものがあるんですね
本田「この頃から球体間接ですか」
江戸「あとバンダイから『MS少女』ってのが出てたんですね。黒歴史ですけど…ええと…」
本田「資料が多すぎてテンパってますね…江戸さんが持ってきたパソコンの中には600冊くらいの表紙の画像とかあるんですけど、一体いつになったら使うのかって言うかんじですね」
江戸「あ、あとこれ『ポニーメタルユーガイム』っていうのは有名でしょう。これはエルガイムクリィミーマミの優ちゃんを合体させるって言う、だから何だよっていう企画なんですが、これいわゆる偽設定資料集なんですよ。小説と設定資料と漫画がうまいことミックスしてる内容なんです。クリィミーマミのキャラクターがエルガイムの登場人物たちの立ち位置のなかに収められているんですね。同じようなのに『うる星セブン』っていうのがあって、こっちもうる星やつらのキャラがウルトラセブンのキャラに当てはめられてるっていう内容です。それで結局このユーガイムっていうのはオリジナルアニメを作っちゃうんですよ。それでいわゆるSFの同人アニメっていうと、DAICONフィルムっていうのが有名ですよね。2005年は、まさかこんなところでDAICONに会うとはっていう感じでしたが
本田「フジテレビでねー。あれ絶対作ってるやつオタクなんですよ。最初はガイナに作ってもらおうとしてたらしいですし」
江戸「ガイナじゃなあ。そのまんまですよ。それでDAICONに対抗するようなかんじであさりよしとおさんとか森野うさぎさんとかが「アォーク」ってアニメをつくっるんですけど、問題は資金で」
本田「アニメは金かかりますからね。僕も破産しました。アニメを3Dで作って何百万も使って一文無しになって、北埼玉の群馬との県境で百枚千円のスピード名刺を刷るって言う生活を30歳でする破目になりました。もうだめかなと思いましたね…全部アニメのせいですよ。だから新海誠さんとかみると、なんでこんな差があるんだ!みたいに思うんですよ。やってること同じなのに。やっぱり完成品の出来が雲泥の差だったということですね」
江戸「昔はCGじゃなくてセル画ですからね。とてつもないお金がかかるんですよ。それで彼らがどうしたかっていうと、同人誌を売って、そのお金でアニメを作ってたんです」
連作ものの同人誌でタイトルが「ま」「ん」と続いている。
本田「『まんが』じゃないことは確実ですね」
その結果できたアニメ「アォーク」を鑑賞。82.3年のビデオだそうな。タイトルからウルトラQの入り方でパロディ全開。
本田「これはフジテレビでやれないですね」
江戸「出てくるのが女の子しかいないし、皆裸になるんですよ」
基本的なストーリーはあってないようなものだけど、ゴジラみたいな感じ。怪獣のきぐるみを着た巨大な女の子と防衛軍(こっちも幼女)がバルキリーとかウルトラホークとかで戦う。で、とにかく幼女が裸になる。そんで隕石?が落ちてきて、最後は裸の幼女だけのユートピアがつくられる。…スイマセン、わけわかんないと思いますが実際こういう内容なんです。
本田「凄い内容でしたね…裸にしすぎです
江戸「このスタッフが出来に納得してなくて、87年あたりにリメイクしたものを配布するていう形だったとおもうんですけど、それだけでは不味いだろうってことで別なアニメも作るんです。」
オーパーツオーマン』という森野うさぎが中心となって作られたアニメ。ストーリーは、女の子だらけの学校の風呂場にレイプマンのようなロボがあらわれ、とある少女がそれをオーマンという強化外骨格で倒したら、レイプロボの中から裸の幼女があらわれるというもの。…これも何言ってんだか良くわかんないでしょうけど、ホントにこういう物語なんですよ!なのでこの作品でもとにかく幼女が裸になる。
江戸「裸を出したいがために風呂場を舞台にしたり、男を書きたくないからメカと女子高っていうふうにしたり、空中戦の最中に挿入しようとするメカとかっていうのは、本当に凄いですよ」
本田「初めて見ましたが、何年もかけてなにをやっとるんだというかんじですねぇ。タイトルがもうエロいですよ。サブリミナル的に」
江戸「結局、こんだけのものを作ると、スタッフに『商業でやんない?』とお誘いがくるわけですよ。それで作られたのが白夜書房から出た『魔法のルージュ りっぷ☆すてぃっく』っていう伝説のエロアニメなんですが」
本田「俺昔白夜いたけど、これと飯島愛黒歴史で封印されてましたね
エロい部分をカットしたものが流される。内容は魔法少女ものなのだが、またなんかよくわからんロボットと夜の学校でドンパチやるというもの。ただエロシーン抜かれると全くストーリーが分からなくなるという不思議な作品であった。大塚英志などのすごいメンバーが加わっている。
本田「これが『ジャパニメーションはなぜ敗れるか』に繋がってるわけですね」
江戸「根が深いですね。アイキャッチとかオープニングがついてるアニメって当時は珍しいんですよ。歌自体もCD化されたとかされないという噂があって、今でも探してます」
鈴本「こういうのはどこで見れたの?」
江戸「普通に売ってましたよ。レンタルビデオ屋さんにおいてあったり」
本田「オネアミスより前ですよね。なんにしてもこれみんな裸に拘り過ぎですよ。エロ抜いたら殆ど無いってどういうことですか。二見からだした俺のキラ×キラもエロ抜いたら話がないんですよ」
次にイクサー1のビデオ見たりする。
江戸「結局何が言いたいかっていうと、女の子はコックピットに入ったら裸になんなきゃいけないっていうことです。それでムックで平野さんていう監督が『なぜ裸になるのか』というのをあーだこーだと言うのをみて『好きだから』って言えばいいのにと思いましたね」
本田「まあオタクが評論をし始める起源はそこですよね。なんで裸が好きかと言うのを説明すると何万文字も使うことになる
江戸「それで次はレベルが上がって…」
本田「まだ上がるのかよ!」
本田先生、こういう秘宝系のイベントのほうが舌鋒冴えますね。
本田「そもそもこんないっぱい本とかアニメとか持ってきて紹介しきれるわけないじゃないですか」
江戸「まあこれがオタクのなせる技ってことです」
鈴本「江戸さん完全に自分ちの気分ですよね」
本田「段々江戸さんが町山智浩さんに見えてきました。あの人も編集とか頭だししないでビデオ見せますからね」
江戸「人間、愛情が過ぎるとどうなるかって言うと…」
うる星やつらのキャラクターが氏賀Y太もびっくりな無惨なことになっている。達磨さんとか、あっち系です。
江戸「段々OVAとかも同人誌になってきます。これも今見たみたいなやつなんですけど…あと他にはダンガイオーの同人誌とか。あとまんがはじめて物語の同人誌とか、どうしてこんなマイナーなやつが出るんだって言うのもあります」
他にも色々言うのが憚られるような凄いのが出てきます。
江戸「あとキワモノ系だと、『美しきチャレンジャー』っていう同人誌があるんですけど、これ中身が金賢姫の同人誌なんですよ」
本田「拉致された後あんなことやこんなことがあったとか、その前にはこんな酷いことがあったんだよみたいな内容ですね。でもこれ妄想なんですよね?…なんにしてもやべ〜
ここでお客が持ち込んだ同人誌の鑑定大会。といっても一人しか持ち込んだ人がいませんでした。なんか壇上でコソコソやってるだけで気がつくといい仕事してますねえみたいな話になってました。その人には記念に私屋カオルさんだかの同人誌が贈られてました。
江戸「あとでじゃあちょっと個人的に…」
鈴本「そこはコソコソしない!お客さんに向けて喋って!」
本田「ホントに私利私欲でこのイベント開いたみたいですね。俺90年代の話してくれって頼まれて、こんな話しようとか考えてたのに全然そこまでいってませんよ
鈴本「じゃあそろそろ締めのほうに…」
本田「え!?90年代は?!俺の同人誌の話殆どしてませんよ!
江戸「まあ追々…」
本田「あと50時間くらい掛かりそうじゃないすか。規制の前後の話やろうとかいってたのに…明らかにそれだけで3時間くらいかかりそうですよ。昨日の打ち合わせはなんだったのかと」
江戸「告知していた内容と全然違うようになってしまって本当に申し訳ないです。今まだ80年代の折り返しきてませんからね」
本田「いつになればエヴァンゲリオンに辿り着くのでしょうか。これまんが道で言えばあすなろ編終わってないようなもんですよ。僕が上京する前の話なんで、まだ手塚先生に出会う前みたいな。これは長丁場だな〜」
江戸「また次回ということに…でも僕は楽しかったですよ!
本田「映画秘宝イベントを下地にすると必ずこうなると言うことですね。僕あれを反面教師にして自分のイベントやってますからね。オールナイトにしないと絶対進まないですよこれ」
で、最後はプレゼントコーナーということでまたジャンケン大会。レア同人誌とTシャツとか進呈されました。ちなみに僕は速攻で負けました('A`)
しかもこのイベント、よく見たら女性が一人もいませんでした。乙女少年祭りは10万円の偽コピーうってようやく女性ゼロだったのに、ここは素でゼロでした。
本田「俺のイベントでも毎回必ず一人か二人はいますけど、凄いっすね」
あとは乙女少年祭りの告知やらなんやらがあって終わり。第2弾をやれれば良いなあということと、他にもメイド喫茶ならぬメイド居酒屋なんかやるようです。
最後に本田さんの台詞でこのイベントを総括しましょう。
本田「本当に業の深いイベントですね」

*1:スイマセン、これ俺の質問です('A`)