キングコング-引きこもりとローゼンメイデンから君へ-

これは愛についての物語なんだ。
敢えてラブ・ストーリーとは言わないけれどね
ピーター・ジャクソン 「キングコング」宣伝ペーパーより)

一日遅れですが明けましておめでとう御座います。昨日はせっかくの正月なのだからと観に行きましたよキングコング
これは素晴らしいですねホント。年明け早々良いもん見せてもらった。トイレ対策さえ万全に済ませておけば、この三時間ちょっとはまさに最高の劇空間を堪能することが出来ますよ。オペラ座の怪人が2005年最高の映画だと確信していたのですが、これは勝るとも劣らないような作品で、喪男なら絶対観るべきですね。なんと言っても上映開始一時間でようやくコングの姿が現れてからは本当にもうノンストップで喪男魂の炸裂する最高の映画ですよ。
ただやっぱり気をつけるべきはトイレですね。長い作品なので、みんなエンドクレジット入った瞬間にトイレに立ちましたからね。僕は一人でガンガン涙流してたのでとても立てる状況ではなかったのですが。いや、本当に泣けますよこれは。喪男なら涙無しには見られん!(;´Д`)是非観てください。なんか興行収入も怪しいみたいですし…

以下、ネタバレのようななんともいえない喪男フィルターを通して観た流れとしては
コングは鬼畜(というか畜生)の王様として鬼畜道を邁進する引きこもり。

ある日引きこもり息子の内弁慶を恐れた母親、ではなくて島民が生贄にバービー人形を差し出す

普段ちびくろサンボフィギュアや菊人形を差し出されても、すぐに無茶なポーズさせてバラバラに壊してしまう鬼畜なコングだったが、アイボなみにバリバリ動く最新型バービー人形に技術の進歩を感じて見入る。

人形を目の前にすると老若男女問わず誰もがなぜかやってしまう「パンツチェック」を多聞に漏れずコングもやろうとするが、バービー人形は実はローゼンメイデンだったのでいきなりビンタされる。

ちきしょう!なんで人形の癖に私の僕になるのよとか言ってくるんだよ!といってブチギレるジュン…じゃなかったコング。しかしマゾ気質がここで目覚めて思わず真紅様に萌えてしまう。

しかし真紅様に別な鬼畜の魔の手が迫る。「俺の真紅様になにさらすんじゃボケ!」と愛の力で鬼畜どもを文字通り千切っては投げ千切っては投げ。そうしたら真紅様に「いい子ね、ジュン」と鼻をなでなでしてもらう。ウホッ!

真紅様に萌えまくって、今までの荒んだ人生もとい猿生とは打って変わって、ローゼンメイデンに萌えまくって癒されるコング。ああ、これからはコミックバーズを毎月購読しよう!そう夕日に誓ったコングであった。

しかし「わり、それ俺のスケなんだわ」と突然GIジョーが表れて真紅様を強奪。真紅様を取り返そうと契約の指輪の導くままに追いかけるが、それはスタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー」の罠だった。なんとか切り抜けるも「アルコールを血液に直接注射すると人間は急性アルコール中毒になってぶっ倒れるんだど!キシシ…もっとも、お前はサルだし、これはクロロホルムだがね…」と、「重ちー」のハーヴェストの前に倒れる。

引きこもりから一転、無理やり渋谷や銀座のオサレな劇場で「喜劇 電車男」の主演をやらされることになったコング。いきなりDQNたちの目の前に引きずり出されて笑いものになるわで怒りが臨界点スレスレ。

あれ、真紅様に会えるの?とおもったら相手のエルメス役の女がケバイ改造人間だったため「やめるんだショッカー!」とコングは大暴れ天道、フジテレビや広告代理店の電通博報堂、さらにはスポンサーを鬼畜パワーでギッタンギッタン。

そこで偶然真紅様をさらった憎きイケメンを見つけたので抹殺しようとクリスマスの渋谷から六本木まで延々と喪男の呪詛を撒き散らしながら追いかけると、ヒルズ中から真紅様が現れる。どうも電車男に出てメジャーデビューするくらいなら、映画版プリキュアに出たほうが人間として百倍ましよ!ということだったらしい。

スケートリンクで真紅様を抱っこしながら「ロッキーとエイドリアンごっこ」に興じて遊ぶコング。しかしみろよ、喪男が人形抱えてスケートしてるぜm9(^Д^)プギャー とDQNどもが駆けつけてさあ大変。

仕方ないので場所を変えて今度は六本木ヒルズの最上階で「今頃ホリエモンはなにやってるんだろうね」と二人で語り合っているとDQNが集団でオタク狩りを敢行。なんとか応戦するものの、長いこと引きこもりだったのでDQNたちの武装化に耐えられず、後一歩というところで力尽きる。

「俺は死んでも良い…しかし、真紅様は、真紅様だけは…」と真紅様をかばったコングはリンチされて六本木ヒルズの頂上から投げ捨てられる。

真紅様は悲しむが、イケメンGIジョーがやってくるとなぜか知らんがそっちに寝返る。映画終了間際のこの寝取られ…オンデゥルラギッタンディスカ…真紅様といえど、イケメンのほうに結局はついていくもんだと…なんて酷い現実…!('A`)

世にも珍しい「喪男の死体」に群がる野次馬たち。「鬼畜のままでいれば、コングは死なずにすんだ。しかし、萌えを知ったコングは鬼畜パワーが中和されてしまい、DQNに敗れた。コングは、萌えキャラが殺したのだ」と自分たちの罪を二次元に着せ、DQNは去っていた。

キングコング 完

というお話でしたとさ。とっぺんぱらりのぷう。

例え、彼(キングコング)の目に魂が垣間見えて、感情に共感できた時でも、次の瞬間には予測の出来ない行動に出そうで安心できない。そんな感じを表現したかった。でも最後にはみんなに泣いて貰いたい。彼に降りかかる出来事を通して、彼に共感して欲しいと思ってる。
ピーター・ジャクソン 「キングコング」パンフレットより)