アキバ系オルタナティブダンスユニットA-BOYS…ですか。

これは酷い。('A`)ARTIFACT@ハテナ系より)
あとこれがそのプロモみたいなの。
こういうのを見ると、電車男からこちら増え続けたオタク見物人向けの産業が育ちつつあるんだなあ、としみじみ思いますねえ。
だってこれどう見ても普通のオタクがメインターゲットではないでしょう。これ買うやつはさすがに居ないのでは…ネタとして買うことはあるかも知んないけど。明らかに昨今の秋葉原珍獣見物組みから搾取しようとする商売でしょう。
とはいえど、オタクm9(^Д^)プギャー とやってる人たちってこれを買うのかなあ?ダ・ヴィンチとかこのところのSPA!とか読んで「私オタクもわかるな」とか言ってる知ったかぶりというか勘違いな方にはウケもよろしいんじゃろうか。うーむ。
どうせコンビニのおでんが如く、季節と共に消えてく定めの一発屋ではありましょうが、この人たちが売れるくらいならアニメ会とかが売れるようになって欲しいなあ。あっちは完全に萌え(喪え)オタ向けの芸人さんですし。二次元にいきまっしょいとか見てるとメトロン星人ネタとかも話してますし、特撮ネタも出来るんですかね。
本田透やアニメ会なんかの、しろはた近辺の人々に入れ込む人をみて「喪男はあいつらに搾取されてバカねえ」とか言ってるひとが偶にいるのですが、観客を相手に行う以上はどんなものでもエクスプロイテーション(搾取)になりうる…これはは柳下毅一郎さんの言葉ですが、まったくもってその通りで、問題は特定の客層に向けて興行したり商品を生み出すことで客を食い物にすることではなく、いかにその作品なりなんなりが客を楽しませるか、満足させるかということでしょう。当たり前の話しっちゃあそうなんですが。
で、どうすれば客を満足させられるかというと、客の見たいこと、聞きたいことや知りたいことと、自分のそれが一致している場合だろうと。自分の作品やらで言ってることを本気で信じ込めるひとこそが面白いですよね。
その点で、本田透さんやアニメ会の人たちなんかはまさに自分の言ってることを信じきってますよね。例えば彼らが「このゲームやこのアニメのここに萌えた!」と語るとき、本気でそう言ってるのだな、これは本物だと信じ込ませる何かがあるんですよね。実際のところはわかんないですよ。あくまでも受け取るこちらが「ああ、この人ホントにこれに萌えてるんだなあ」という気になるのです。
で、かたやA-BOYSとなると、これが全然本気度が感じられないので、やはりエクスプロイテーションとしては二流三流だと思います。ターゲットのみたいものと自分の見せたいものが同一でもないのに、搾取的な興行をぶち上げようというのは、概ね周りにとって害にしかならないと思うのですよ。*1

優れたエクスプロイテーション作家は観客の視点を内面化できる。観客が望んでいるのと同じことを頼まれなくてもやってのける人たち、自分のついた嘘を自分で信じ込める宣伝屋である。そのとき作り手と観客はひとつになり、自在に観客をあやつるエクスプロイテーション作者は自分のエゴが膨らんだかのように感じるだろう。観客と自分とを、現実と映画とを混同して大いなる見世物を作り上げるのだ。
柳下毅一郎 「興行師たちの映画史」)

*1:アニメ業界の惨状だとか、萌え株関連のそれとかにも当てはまるのかしらどうかしら