『バッテリー』今、映画界は空前のおちんちんブーム!

ということで体調もぼちぼち直ってきたんで、昨日は「バッテリー」の映画を見てきましたよ。
あざとい!これはあざとい!
ということで以下ネタバレを含みます。
平日夕方の上映だったのもあってか客が少なく、高校生グループとオバチャンやジジイなんかがちらほらと入ってるような感じでした。まだ上映し始めて数日なのに大丈夫なんじゃろか。
感想を軽く述べますと、中学生とかが春休みに見る映画としちゃ十分なんじゃないですかね。
話の大筋としては、「主人公の少年が野球を通じて家族や兄弟、教師や友人たちとの衝突や、自分自身の心の葛藤を乗り越え、家族の絆と友情を取り戻しハッピーエンド」っつう感じです。
岡山の風景自体が見てて結構楽しかったですし、野球の描写もそれなりに迫力あるんじゃないかなと。ボールがカメラのほうに向けて飛んでくるシーンとかはビビッて一瞬目をつぶったり。

ただ上の通りとにかく「ここで泣かせたるでぇ〜!」という監督の声が聞こえるような、あざとい展開が目白押しで、あかほりさとるのアニメとかが苦手な人だと苦しいかもしれません。でも伝統芸能と割り切って見れれば十分楽しめると思いますよ。
しかし何よりきつかったのは、天海祐樹がカウボーイビバップのフェイみたいなことをした時が…。
前のほうの席の高校生グループとかはどんな顔してこのシーンを見てるかと思うと、いたたまれない気持ちになりました。


もう少し、こう、何というか手心というか…
イタくなければ覚えませぬ(観客が)


いや、見ればわかるんですが、実際これやられたら絶対に親子断絶するだろってことするんですよ。動作・タイミングともに申し分ないくらいの羞恥プレイで、これで「親子の絆を取り戻しました」というのは厳しいものがあるんちゃうかと(;´Д`)


しかしまあ、そんなことはどうでも良いのです。この作品の本質はそんなところには無いのです。
大体僕が何を期待してこの映画を観に行ったのか、勘の鋭い方はお分かりでしょう。タイトルからして丸分かりですが。
ということでこの「バッテリー」、薔薇族ギッシリたしかな満足を与える作品でした。
ちなみに正しい情報は公式HPとかで見てください。
もう「バッテリー」というタイトルで少年二人の友情物語というだけでも「きっとそういう作品なんだろうな」と思わせるものがあるのですが、この映画の何がすごいって絶対監督が狙ってやっているとしか思えない、様々な腐女子(と大きなお友達)むけサービスの多いこと多いこと。
まずなにより女性陣の出番が少ない!殆んど話に絡まない!絡んでもウザったく思わせるようにしか演出されない!
一応ヒロインらしき女の子が出てきたりもするのですが、いきなり電話してきて聞きたくも無い身の上話かましたり、ライバル役を紹介したらそれっきり出てこなくなったりと、完璧にかませ犬です。
「この物語の本題はチャラチャラした恋愛じゃねえ!」という監督の熱い想いが伝わってきます。
天海祐樹は電波ゆんゆんだわ、キャッチャーの母親もちょっと嫌味なババアとして描かれるわ、風紀委員の女子中学生は陰湿なイジメをやってるわ、ヒロイン役の女の子は空気だわ、全体的に女性株低めな映画でした。


主人公はBL向きのイケメンなのですが、相方がガチムチなので、BLというよりゲイカップルにしか見えません。
勿論このブログを見てるような皆さんにとってはご褒美でしょうが、一般の人たちにはちょっとキツイですよね。
かといって、ホモ分を中和してさわやか友情物語に偽装するにしては、女性陣の魅力も少々物足りない有様。
ということで、必然的に主人公の弟のショタっ子がこの作品のヒロイン格として扱われます。当然です。
では実際どういうキャラが出てくるのか?ということで登場人物を少し紹介します。

原田巧(はらだ たくみ)
野ユニフェチ*1でガチムチが基本的な好みだが、ジジイからショタまで幅広くこなすオールラウンドプレイヤー。普段は男に身体を触られただけでもキレるという、ホモフォビアの仮面を被るツンデレ
永倉豪(ながくら ごう)
ガチムチなショタ専で、人のよさそうな顔をしていながら笑顔の裏で原田兄弟の身体を狙う策士。ことある事に巧の背後を取ろうとする。いつも子分の愛人を連れている。
原田青波(はらだ せいは)
ショタ。巧の三つ下の弟。病弱・天然・弟のトリプル役満。「いまどきエロゲーでもねえよ!」と言いたくなる程あざといヒロインっぷりを見せる。

いやね、こんなん寒いネタだと思うでしょうが、実際見てみるとこの説明で完璧にあってるんですよホント。
その例として幾つか注目すべきシーンを挙げてみましょう。


まあなんといっても基本はバッテリー二人の絡みですわ。
一番わかりやすく腐女子の得点稼ごうとしてるなと思うのは、最後の方での「主人公と相方の喧嘩→ 仲直り」の流れですかね。
「俺をもっと信用しろ!」「お前のタマが俺に取れないとでもおもっているのか!」とか言ってキャッチャーがピッチャーを殴りつけたり押し倒したり。仲直りのときには「最初あったとき、こいつは凄いキャッチャーだ、俺、絶対こいつを手放さないぞって思った」とかさりげなくと告白してたり。
こうしたお約束的展開には、トラディショナルな安定感があります。
また弟の青波がいなくなったとき、二人で一緒に森の中を探すシーンがあります。
そこで巧が沼に落ちて、それを豪が助けるのですが、なぜか互いに覆いかぶさってくんずほぐれつします。普通に見てると意味不明なシーンですが、これをサービスと捉えるとスッキリと通ります。
しかも兄がガチホモに襲われているシーンをうっかり弟が目撃してしまうという、エロマンガでよくある展開に続きます。*2


ということで、映画を見る際に何より重要なのは青波きゅんの登場するシーンです。
最初っから菅原文太やキャッチャー少年を虜にしたり、行方不明イベントで兄を心配させたりと、押したり引いたりやりたい放題ですよ。野球の場面では誰も気付かない兄の変調に一人だけ気がついていたり、入院イベントで「お兄ちゃん…勝ってね…」とか言ったりと、完全にヒロイン格の扱いです。「死に掛け妹」なんて陳腐なものと思われて近頃は見れませんが、見たら見たで動物的に反応してしまうんだろうなあというのが確認できてしまいました。
そんな青波きゅん、一番狂ってると思ったのはお色気シーンがあることです。児童ポルノギリギリです。
どういうシーンかというと、まず萩原聖人菅原文太が家の庭でイチャつくシーンがあるのですね。そこに岸谷五郎と入浴していた青波きゅんが、いきなり風呂場の窓を開けて「おじちゃん…野球…好き?」と風呂場の外の萩原聖人に誘惑を仕掛けたりします。
ここで言う「野球」というのが「たーんたーんたぬきの→ベースボール」から来た隠語であるのは言うまでもありません。


以上、とにかく「ここでショタ萌え!ここで腐女子サービス!ここで子供連れの親を泣かしたるでー!」という製作サイドの声が聞こえてくるようなあざとさにゲップが出る展開の連続でした。
別につまらなくは無いですし、ショタ萌えな人や、腐女子回路がサビついてきてる人には悪くないと思いますが、伝統芸能が苦手な人・そもそも実写がダメな人は注意したほうが良いですな。
…そもそも良い大人はこんなん見ないか…

*1:「野球ユニフォームフェチの略。野球のユニフォームを性的対象とすること、または性的対象とする人。類義語:アンストフェチ(野球のアンダーストッキングフェチ)」ウィキペディアより。

*2:この辺は僕の見た幻覚かもしれません