陶淵明は中国最強のオタク

先日の水月のエントリかいててなんとなく思ったのですが、そういえば陶淵明ってオタクなのではないかなと。
陶淵明というのは中国の東晋時代の詩人で、当時としてはそれなりにそれなりな家に生まれました。奥さんをきちんともらっていたというので、宮沢賢治アンデルセンのようなキモメンスピリットあふれる人物ではなかったようですが、大昔の中国においては分かり易過ぎるくらいオタク的な人物でして、アジアにも存在していた「萌え」の萌芽を*1探るのには貴重な資料足りうるのではないかなと。
陶淵明の作品を見る前に、まずその背景に注目してみましょう。
当時の中国においては儒教の教えから「怪力乱神を語るべからず」というのが一般的な通念となっていたのですね。「怪力乱神」とは怪…オカルトちっくなもの、力…そのまま暴力的なもの、乱…性的なもの、神…新興宗教や土俗の神様を崇めること、という風になっております。どれもこれも反社会的・非社会的な行動に結びついてしまう可能性があるので国家権力側としては禁じてしまいたかったので、孔子の教えを利用したのです。ですのでヴァルキリープロファイルのエロ同人とかは、当時の中国に在ったらオタク狩りでは済まされなかったでしょう。要するに「妄想なんかしてんじゃねえ!そんなやつはクズだ!」というのが当時の価値観だったのですね。
で、当時において怪力乱神の典型とされたような書物というのが「山海経」という本でした。これは地方の風習であるとか動物であるとか、はては神様だの化け物だのが出てくるような本でして、要するに当時における「妹ゲーム大全」みたいなもんだと思ってください。まあ内容的には妖怪大百科と言ったほうが近いのですけど。でもって陶淵明はこの山海経が大好きだったんですね。この現実世界よりも虚構の世界を好む志向というのは、詩人という人種においても特異なものでした。
ちょっと時代が違うのですが有名どころで言うと、李白とか杜甫の詩を思い出していただければ分かると思うのです。その殆どが「現実に起こったこと」なんですね。朝もはよからお城をでてすげー遠くまでいったんよ、とか、都はもうボロボロだけど、山だの川だのは変わんないもんだよね、とかそんなんばっかりじゃないですか。虚構の世界のことに異様に興味を持ち、そして作品化するというのはまさに異端なのです。まあ、陶淵明の作品でもフィクションまんまなものはそう無いのですけどね。
しかし、やはりその作品にはオタクらしさがビンビン感じられます。
例えば陶淵明の代表作として名高いのは「水月」にも出てきた「桃花源記」です。これはまさに陶淵明の望む虚構の世界、桃源郷を描いた作品ですね。まずこの桃源郷というのはかなり現実に近い桃源郷なんですね。空飛ぶ仙人だの超絶美女が居るということは一切描かれず、自然が豊かで人々は優しく暖か、けど中央の政府やらとは隔絶して、欲の坊が探し出そうとしても見つからない。でも場所や時代は特定されている。「むかしむかしあるところに」という書き出しではなく、「晋の太元の時代のさなかの武稜で」という書き出し。日本風に置き換えると「昭和半ばの千葉にて」みたいな、結構リアリティのある世界観でのフィクションなのです。これはしろはた風に解釈するなら、辛い現実からほんのちょっとだけ浮遊したフィクションで、かといって西遊記であるとかあの辺までぶっ飛んだフィクションでもない、という「耳をすませば」とか「となりのトトロ」みたいなポジションの作品なのですね。*2
巨匠・宮崎駿がエコ左翼であることを鑑みても、あながち間違いではないかなと。陶淵明も中間管理職をやっていたけど、仕事が嫌で田舎の田園地帯に逃げ出してニートの生活をおくってましたし、ハウルの動く城に通ずるものがありますよね。あれも主役のハウルニートの引きこもり)が「俺は働きたくない!悪いけど俺の変わりに仕事断ってきてくれ(`・ω・´)シャキーン」とヒロインのソフィーにいうわけです。うわあ…駄目〜…駿先生はさっさと仕事やめて幼女入れ食いしたいのでしあwせdftgyふじこlp。
ここまでだと「まあ空想癖のある人物だけどオタクとは言い難いのでは?そもそも萌えの萌芽もクソもないじゃん」と御思いでしょう。しかし!これは萌えだとと言ってもなんら問題ないような作品が陶淵明にはあるのです!
それは「閑情賦」という作品で、これは陶淵明の思い描く理想の美女に対する想いを綴ったもので、最初のほうは「こんな美女がいいなあ」ということが語られます。脳内最萌えキャラはこれだ!と熱く熱く語るわけです。もちろんこれだけでは止まりません。この後陶淵明は何をトチ狂ったのか、「私はその美女の着てる服になりたい!!!(;´Д`)帯になって体に締まりたい!!!(;´Д`)靴になって素足で踏み踏みされたああぁーーい!!!(;´Д`)」とかなんとか、小中学生のエロ妄想みたいなことを最後のほうまで延々と語り始めるのです!!しかもこれ実在の人物じゃなく妄想の人物へのラブコールですからね!こりゃどうみてもオタクだ!
すげえよ…すげえよ陶淵明先生、時代が早すぎるよ!!
一応やりすぎたと思った陶淵明先生は最後のほうで風流っぽい作品に流れを変えましたが、あまりにも萌魂が強すぎたのでしょう。時代が下って魯迅が再評価するまで、この「閑情賦」は「キモイ」という評価がくだされ、陶淵明の唯一の汚点となる作品だといわれてきましたが、そんなことはないのです!むしろこれこそが陶淵明先生の最高傑作であると、私は声を大にして言いたい!
ああ、陶淵明先生、私は先生にお伝えしたいことがあるのです。二十一世紀の日本では、先生の魂を確実に受け継ぐ作品がつくられました。もしも先生が現代に魔界転生をとげたら、真っ先に秋葉原のげっちゅやでこれをお求め下さい。私には先生が感動のあまりむせび泣いて居る姿が目に浮かぶようです。



へんし〜ん!

ある日突然手にすることとなった変身能力。
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May-Be SOFT ホームページより)

*1:変な言い回しだな

*2:ここでは耳をすませばをみてると死にたくなるという話は置いておきましょう。