クマが近頃人里へ降りてきてる件について

山梨・甲州市でクマが電車に衝突死、中央線7本に遅れ

 18日午後9時45分ごろ、山梨県甲州市大和町鶴瀬のJR中央線で、大月発韮崎行き下り普通電車(3両編成)が、線路内に入ったクマと衝突し、クマは死んだ。

 乗客にけがはなかった。

 この事故で、衝突した電車や下り特急「あずさ35号」を含む上下線計7本が最大で48分遅れ、約1500人に影響した。
(読売新聞) - 9月19日3時10分更新
(ヤフーニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060918-00000115-yom-sociより)

<クマ>登校中の中3生、襲われ重傷 長野

 20日午前7時50分ごろ、長野県小谷村千国乙の村道で、村立小谷中3年の坂井一馬さん(14)が、登校中にクマに襲われたと、消防に通報があった。坂井さんは、ひっかかれて右目や肩などに重傷。県警大町署などがクマの行方を追っている。
 同署などによると、農道脇のやぶの中から突然クマが現れ、1人で歩いて登校中の坂井さんを襲ったという。現場は中学校から南西に約150メートルの地点で、近くに集落や畑がある。
 同村役場によると、今年は8月ごろからクマの目撃情報が増え、件数は例年に比べて多いという。北アルプスのふもとの村のため、村教育委員会は以前から村内の小中学生全員にクマよけの鈴を配っていたが、坂井さんはこの日つけていなかったらしい。【川崎桂吾】
毎日新聞) - 9月20日13時15分更新
(ヤフーニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060920-00000037-mai-sociより)

「ちがうよ、僕は変態じゃないよ。僕はただ下半身を露出させてると興奮することに気がついただけなんだよ、変態じゃないよ。仮にそうだとしても変態という名の紳士だよ。もうしないから、通報はやめてよ」
(クマ吉 増田こうすけ「ギャグ漫画日和」)

「クマは死んだ」って、なんか凄いフレーズだ。「ジョニーは戦場へ行った」みたいな。


さて、前回の話がなぜだかやたらとウケたので、せっかくだから今回はあんまりこのブログの客層にはウケないような、せまーい層にしか受けないような話でもしてみたいと思いますよ。
ということで今日はクマさんのお話


最近よくクマが人を襲って駆除された、という話をテレビでやってますな。昨日も中学生が襲われるというニュースがありましたし。
こういうクマ被害が出るときによく言われるのは「山の木の実が今年は不作だから里に下りてくる」という話で、まあこれも原因の一つのなのですが、それだけじゃなかろう、というのが最近のクマ関係の研究者のお話。
というのも、山村に住んでる爺さんとかに話を聞きますと、元々クマは山の奥の奥の奥のほうにしかいないような動物で、里で見かけることなんかぶっちゃけあえりえない話なんだそうですな。だから猟師にとってもクマはめったに取れない貴重品なわけですから、熊の手だとか熊の胆が高値で売買されてきたわけですね。ですが最近は、木の実が不作とか関係なしに熊が村の中を歩いてるのは普通のことで、熊の胆も熊の手もとれすぎて買い手がつかず困っているそうです。
クマも山の村の中にとどまらず、最近では結構都市部のほうまで出てきてるみたいですしね。*1
しかも、人里のほうに出てきて迷惑かける動物は何もクマだけでなく、シカとか猪とかも降りてきては畑や樹木(シカは樹皮を食う)なんかを荒らすそうです。


で、なんでそうなったかといいますと、一説には、山村の生業の形態が変化して衰退したからだろう、と言います。
元来、山村というのは別に畑や田んぼだけ耕してるのでなく、同時に山に木を植えたり狩猟も行っていたもんなんだそうですな。そうした圧力が今まで動物に掛かっていたので、動物はどんどん山の奥のほうにしか居なくなり、里のほうに野生の動物は殆ど居なくなった。居て家畜か、でなければ犬猫、あとはカラスとかスズメとかの鳥類くらいだったそうです。


※イメージ図

ペイントで五分で作ったものなのであしからず。一時は山の開発なんかが進み、この圧力がより高まって山で動物を見かけなくなったりしました。動物愛護団体の人とかがガミガミ言う話です。
ですが、最近じゃあ山に住む人も、仕事といえば農業だけで、鉄砲もって動物追い立てられるような人は居なくなりましたし、そもそもそういうことが出来る若い人間は居なくなってしまったので、今までのぶり返しで今度はどんどん動物が人里に下りてきてしまっているのです。
※イメージ図

つまり、動物に対する圧力がなくなったから、動物が増えてきていて、それで最近の獣害が出てきているのですな。


で、一部の人たちの中には、このまま獣害がエスカレートしていくと、過剰反応して逆に野生動物をどんどん駆除したりしていって、絶滅させてしまうんでないかという懸念を抱いている人たちが居ます。確かに今後クマ被害がうより悲惨なことになり、釈迦問題とかになってしまうと、テディベアの売り上げが落ち込みオモチャ産業冬の時代が訪れ、やがて日本経済が低迷し国家存亡の危機に立たされひいては世界戦争の幕を引いてしまうかもしれません。アニメ会でも国井代表のくまネタが自粛ということになって人気が下落、ひいては(ry
ということで、んじゃクマに圧力をかけたらええんかというと、現段階で地方のちっさい村にそんな力はないですし、平成の大合併が進めば市や町の中央が栄えて、ますますすみっこの小さい村とかは潰れてくので、そんなんやってられんわーというのが実情です。


ということで、「どうやって上手いこと動物の進出エリアから撤退しつつ、人間のエリアと動物のエリアとの境界線を引いてくか」というのがクマ問題で重要なんだそうですよ。
ネットやってる大多数の人たちは割かし都会の方も多いと思うので、こういう話もシラネーヨってなもんでしょうが、これからのクマは「明日は君の街へいくぞ」状態になるので気をつけたほうがいいですよー、とだけ。